Sponsered link

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

抗生物質入りを販売していたマクドナルド

3月4日、アメリカのマクドナルド社は、人に使用される抗生物質と同じものを投与された鶏肉は使用しないという方針を発表しました。

【抗生物質】マクドナルドの食の安全の考え方は大丈夫? 2

 こうした新しい対策を実行する上で、米食肉加工最大手であるタイソン・フーズを始めとした、国内の鶏肉業者ともすでに連携し、協力を得たとも言っています。

 これは、一見すると、マクドナルドがアメリカにおける食の安全に対して、イニシアチブをとり、米国の食品の安全に大きな一歩を踏み出したかのように映るかもしれません。

 しかし、発表の内容をよく見ると、逆に安全どころか、食品の安全に対する考え方に、恐怖すら覚えてくるのです。

 発表内では、マクドナルドいわく「消費者が信用し楽しめる最高の味と品質の選択をお届けする」として、今回の発表に至ったようですが、発表内容をよく吟味すると、食の安全という意識においては、実に遅れていると言わざるを得ません。

今回の発表で気になった点は次の通り

1,今回の措置はアメリカだけ
2,即時ではなく2年間という長期の猶予期間
3,ヒト用の抗生物質に限定し動物用の抗生物質は使い続ける
4,対象は鶏肉に限定

となっています。これらを順番に見て行きたいと思います。

1,今回の措置はアメリカだけ

まず今回の発表で驚いたのが、今回の措置が、アメリカマーケット限定だということです。

 確かに食料の調達等に関して、それぞれの地域によって環境や事情が異なることは理解できます。しかし安全性だけに限って考えた時、それをそれぞれの地域で基準を変えると、ちょっとおかしくなってきます。

 極端な話、アメリカでは危険数値だけども、日本ではそのような数値基準がないから、アメリカで危険数値なものでも日本では販売する、ということになりかねません。

 たとえばアップル社のiphoneについて考えてみると、ご存知のとおり、iphoneは中国で作られています。

 しかし、その品質基準は本社アメリカが厳しく管理し、中国で作っていながらも、アメリカで作ったものと同じ品質を実現しています。

 まして、マクドナルドの場合は、口にはいる食品です。本社が新しいスタンダードとして掲げた食の安全目標を、なぜアメリカ限定にしたのでしょうか。

 今回の発表が、アメリカだけの措置ということで、アメリカ以外の消費者は、かえって不安をいだいたのではないでしょうか。

2,即時ではなく2年間という長期の猶予期間

 今回の発表で、投与されていない鶏肉に切り替えるのに、二年間の猶予が持たれています。つまり、完全に切り替えるには二年間が必要だということであり、それほど抗生物質投与が常態化しているという深刻さを示しています。
 
 そもそも、二年間かけて切り替えていくということは、つまり二年間は抗生物質の投与された鶏肉が混じっているかもしれないということでもあります。

 さすがに即時切り替えは無理だとしても、はたして二年間という期間の猶予は長すぎるのではないでしょうか。

 これも消費者を安心させるというよりも、不安を抱かせてる要素にしか思えません。

3,ヒト用の抗生物質に限定し動物用の抗生物質は使い続ける

 今回の措置は、決して抗生物質をやめるわけではないのです。今回、使用禁止にするのは、ヒト用とされているいくつかの抗生物質です。そして動物用に関しては、今後も使い続けると宣言しています。

 それだけではありません。抗生物質に関しては、投与も問題ですが、抗生物質が混入された飼料、餌も大きな問題なのです。
 そして、今回、そこまでは言及されていません。

そもそも、ヒト用の抗生物質を今まで使用していたこと自体、異常なことであり、ヒト用の抗生物質をやめることは、まったく普通というか、当然のことなのです。

 いうなれば、今回のマクドナルドの発表は、安全宣言というたぐいのものではなく、正常化宣言だといってもいいかもしれません。

 
4,鶏肉に限定

 そして今回の発表は、鶏肉に限定したものだということです。マクドナルドの主要商品は、ハンバーガーであり、それは牛肉を使ったものです。

 本当に食品の安全に真摯に取り組むのであれば、まず、主力商品である牛肉の安全対策を、もっと真剣に考えるべきではないでしょうか。

 抗生物質は、投与のみならず、家畜の餌となる飼料にもふんだんに含まれています。さらに、アメリカでは、牛を短期間で太らせるために、ホルモン剤を投与するのも、常態化されています。

 鶏肉に関して、食の安全に対して、一歩だけでも、歩みを進めたことは、確かに評価すべきことではありますが、しかし、今回の発表は、マクドナルド、ひいてはアメリカの食品における考え方の恐ろしさを露呈させたものであります。

【抗生物質】マクドナルドの食の安全の考え方は大丈夫? 4

 

なぜ薬を摂取するのがいけないのか?

 抗生物質がはいってたから、逆に風邪がひきにくくなってたんじゃないか?なんて、のんきな声も聞かれましたが、そもそも抗生物質で風邪は治りませんし、必要でないのに抗生物質をとっていると、健康を害してしまいます。

 通常人間が抗生物質を飲む目的は、病気になった時、その病気のある特定の細菌をころすために服用するものです。抗生物質は、ある特定の細菌だけに作用する、とても強力な薬ですが、これを病気でなく、細菌を殺す必要でない人が服用してしまうと、有用な細菌を殺してしまいかねず、また、抗生物質を服用することで、抗生物質に対する耐性がついてくるために、いざ、病気人なった時に抗生物質をのんでも、薬の効果をえることができず、病気を治そうにも治らなくなってしまうのです。

抗生物質が風邪に効かに理由に関しては以下を御覧ください

後れてる?アメリカの食品案基準

 今回、マクドナルドはこの発表をするに当たり、その報告書で、次のように述べています。

科学敵証拠の積み重ねと、科学的合意形成のによって、食品における抗生物質の使用における立場を明確にし続ける重要性を認識し、kの問題に関して話しあうためにチームを結成したといいます。そこには、獣医、医師、臨床薬理学社、疫学者、倫理学者、動物の生産者といった、ありとあらゆる専門家が加わったと言っています。

 そうした各道の専門家が集結しているのもかかわらず、今回、マクドナルドが抗生物質の取り扱いに関して、打ち出した方針は、食品の安全とは程遠いものだと言わざるを得ません。

 というのも、EUでは抗生物質を使用することによる弊害が今ほど騒がれるはるか以前の1980に成長促進剤利用としては使用全面禁止にしているのです。

 それに比べて、アメリカにおける抗生物質の取り扱いは、遅れをとっている上に、生ぬるいと言わざるを得ません。

【抗生物質】マクドナルドの食の安全の考え方は大丈夫? 1
農林水産省消費・安全局抗生物質の使用と薬剤耐性菌の発生について

 

  • +0
  • -0
  • 0 ratings
0 ratingsX
Like! Dislike!
0% 0%

おすすめ記事

コメントを残す