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桐山秀樹が急死した原因は糖質制限ダイエットだったのか?

桐山秀樹が急死原因から考える糖質制限ダイエットの危険性 1

 

2月6日に、糖質制限ダイエットの第一人者であったノンフィクション作家の桐山秀樹氏が、心不全で急死しました。

桐山秀樹氏はまだ61歳という若さにもかかわらず、それまでの健康状態からは不自然だとしか思えない急死であったために、その死因に関して様々な憶測を呼んでいます。

その中でもやはり、糖質制限ダイエットの伝道師でもあり、実践者でもあったこともあり、糖質制限ダイエットが死因だったのではないかというものです。

特徴的な部分を短絡的につなげ合わせて大げさに話題作りをするワイドショーや、ニュースの字面だけを見てあれこれ偉そうなことを言うネット評論家の意見は無視するとして、実際に糖質制限ダイエットに関しては、かねてから賛否両論でした。反対派たちはそれみろと言わんばかりに、死因を糖質制限ダイエットのせいだと説明してみるものの、近しい人達は死因は別のところにあるという。

 では実際の死因は何だったのであろうか?

桐山秀樹氏が急死する前日に顔を合わせていたおやじダイエット部メンバー曰く「糖質制限が原因で亡くなったのでなく、心不全・急性心筋梗塞で亡くなったのが、診断書からも明らかです。亡くなる前夜まで、本当に元気でした」とのことだ。

 

なくなる直前の桐山秀樹氏の生活は、自宅の神戸から仕事先の東京への出張が頻繁にあり、今回急死したのも、滞在中の東京のホテルだった。おやじダイエット部のメンバーは次のように言う。「長距離の移動と多忙、急激な寒さが重なり、疲労も相当蓄積していたのではと、思い返しています」

しかしいくら否定したとしても、じゃあ、その心不全を引きおこす土台を作ったのが糖質制限ダイエットだったのではないかと、疑われかねない。

それに関して、日本糖質制限医療普及推進協会の江部理事長は次のように説明している。「基本的には(糖質制限ダイエットが今回の急死とは)無関係だと思います。最初に病院に行った時点で、すでに消えない借金として動脈硬化が心臓と脳にあった可能性が極めて高い」と説明している。

糖質制限ダイエットを今回の急死の原因に結びつけようとしている人は、この点を見逃しているのである。つまり、もともと桐山秀樹氏は2010年に糖尿病と診断され、メタボ状態だった。しかし糖質制限ダイエットを行うことによって三週間で―20kgの減量に成功し、体重はほぼ正常値に戻り、明らかに健康体になっていた。

 しかし、糖質制限ダイエットを始める前の病状を引きずっていて、それが度重なる出張の疲労とストレスが重なって、急死してしまったとみるのが妥当であろう。

では糖質制限ダイエットは安全といえるのだろうか?

糖質制限ダイエットによって糖尿病もメタボも治った!

糖質制限ダイエットはもともとは糖尿病患者の食事療法が元になっています。2010年に糖尿病と診断された時に、糖質制限食事療法を提唱していた、京都の高雄病院の江部康二理事長が書いた本に出合ったといいます。

その本を読んだあと、藁にもすがる思いで書いてあることを実践したら、87キロあった体重は、たった3週間で67キロになったという。三週間で20キロのダイエットに成功したことになる。医者いらずで糖尿病を克服し、メタボからも脱出できたその方法を紹介し、それが熱狂的に受け入れられ、人気のダイエット法として定着させて今に至ります。

 その方法はいたってシンプル。

 糖尿病患者のための食事療法と同じ糖質制限で、ご飯やパン、麺類、ジャガイモなど炭水化物(糖質)の多い食品を食べない、ただそれだけです。糖質だけを控えれば肉や魚は制限なく食べてもよく、カロリー計算のいらない手軽さから、瞬く間に「糖質制限ダイエット」として広まりました。

 糖質制限ダイエットの推進派の医師は、糖質制限によって短期間で体重を減らすことができるメリットのほか、血糖や血圧、脂質の値がすべて改善し、糖尿病のさまざまな合併症予防も期待できると主張しています。

 それはごく当然のことで、なんら複雑な医学知識がなくとも理解できる理屈です。血糖値が高いから糖尿病になるわけで、摂取する糖分を減らせばそれが改善していくというのは、ごく当たり前のことのように思えます。

 しかし、糖尿病の権威ともいうべき、日本糖尿病学会は糖質制限に関して異議を唱えているのです。

桐山秀樹が急死原因から考える糖質制限ダイエットの危険性 3

糖質制限ダイエットは実は危険だった?

 日本糖尿病学会は主食を控える「糖質制限食(低炭水化物食)のような極端な糖質制限は健康被害をもたらす危険がある」との見解を示しました。

「総エネルギー摂取量を制限せずに炭水化物のみを極端に制限して減量を図ることは、長期的な食事療法として安全性などの重要な点についてこれを担保するエビデンス(科学的根拠)が不足している」ために「現時点では勧められない」

つまり摂取する様々な栄養のバランスの観点から、糖質のみを極端に減らしてしまうことは、即問題は起こらないかもしれないけども、長期的な観点から見れば、危険な状態になるかもしれないということだ。

 具体的には糖質を抑える代わりにタンパク質や脂質の摂取量が増えれば、腎機能や骨密度の低下、悪玉コレステロールの増加による動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まると警鐘を鳴らしていました。

 そして桐山秀樹氏は、まさにその恐れられていた心筋梗塞によって急死したのです。

糖質制限ダイエット否定派が予言していた病気で糖質制限ダイエット実践者が急死してしまったにもかかわらず、糖質制限ダイエット推進派は、今回の急死は直接的には糖質制限ダイエットとは無関係だ、なぜなら前日まで元気だったから、と言ってもまったく説得力がありません。

 むしろ糖質制限ダイエットはやっぱり危険なのではないか、という疑いのほうが強くなってしまいます。

 この事実はどう受け止めればいいのでしょうか?

桐山秀樹が急死原因から考える糖質制限ダイエットの危険性 2

糖質制限しなくても心不全で死ぬ確立が高いという事実

 確かに桐山秀樹氏は心筋梗塞で急死しました。それは糖質制限ダイエット反対派が指摘していた死因です。それはあたかも、反対派が指摘する予言が的中したかのように思えますが、それは実はトリックであり、錯覚にすぎないのです。

 以下は日本の厚生省が作成した日本人の死因のグラフです。

桐山秀樹が急死原因から考える糖質制限ダイエットの危険性 1
※厚生労働省「平成22年人口動態統計」

一番目の悪性新生物というのはガンのことですが、二番目の心疾患、これはまさに今回、桐山秀樹氏の心疾患なのです。

この統計は別に糖質制限ダイエットをしていた人を対象にしたグラフではなく、無差別無作為にとった統計を元に作成されたものです。

 つまり、糖質制限ダイエットを実践していなくても、心疾患が原因で死ぬことも結構あるのです。むしろ、糖尿病体質を改善しなければ、心疾患、心筋梗塞になる確立はもっと上がります。

 桐山秀樹が急死原因から考える糖質制限ダイエットの危険性 2

 そういう事実を知っててか、知らないでか、日本糖尿病学会は糖質制限ダイエットをすると心筋梗塞の危険性が高まると言っていたのです。糖質制限ダイエットをしなくても、糖尿病の人はそうでない人の三倍以上の確立で心筋梗塞になるわけです。それにもかかわらず、糖質制限ダイエットを続けていると、心不全の危険性が高まるというのは、ちょっとズルイ言い方だと思うのです。

 これで糖質制限ダイエットが言うほど危険ではないということは少しは理解していただいたでしょうか。

糖質制限ダイエットは万能健康法ではない

 しかし今まで言ってきたことに自ら水を差すようですが、そうは言っても誤解してはいけないことは、糖質制限ダイエットはあくまでも、糖尿病患者の食事療法を応用したものであって、決して万能健康法ではないということです。

 もともと、糖尿病を患ったり、極端に太ってしまったような人は、何かしらその栄養摂取に極度の偏りがあったわけです。その偏りを、糖質制限という方法で矯正することで、正常な栄養摂取状態に持っていくわけです。

 つまり、特に太ってもいないし、糖尿病でもない人は、その食事方法に問題がないわけだから、わざわざそこで糖質制限ダイエットをする必要はないのです。

 逆に糖質制限ダイエットという、いわば極端な栄養バランスの食事に変えてしまえば、何らかの健康被害が出てきてしまうであろことは想像に難くないでしょう。

 糖尿病であったり、メタボであったりするからこそ、糖質制限ダイエットは効果を発揮するのであり、そうした状態とは無縁の人が、あえて今の栄養摂取状態のバランスを崩すひつようはないというわけです。

糖質制限ダイエットの正しい理解と方法

 では糖質を制限することによってどのようなことが起こりうるのでしょうか。

医者ではなく栄養学の観点から見た場合を栄養学博士の白鳥早奈英氏は次のように説明しています。

「人間が考えたり動いたり、体全体の機能に指令を送っているのが脳で、その重要なエネルギー源になっているのが、糖質から作られるブドウ糖です。炭水化物の理想的な摂取比率は50~60%で、残りを脂質とタンパク質でバランス良く取ることが大切です。

 このバランスを極端に崩してしまうと、さまざまな体の異常をきたす原因となります。米やパンなどの主食を減らせば脳の働きが鈍くなりますし、その分、肉など脂質を多く取ると脂肪が増えてダイエットには逆効果となります。また、タンパク質の取り過ぎはプリン体を生んで尿酸値を高めたり、カルシウム不足になったりする弊害を招きます」

 といいます。必ずしもこの栄養学的な観点が正しいというわけではないですが、糖質制限をすることによってどのような影響が考えうるのか、に関しては参考になる意見でしょう。

あなたは糖質制限ダイエットをするべき人か?

 糖質制限ダイエットが危険だと決まったわけではありませんが、かと言って安全性が確立されているわけでもありません。

 そして実際に今回、その因果関係はないのではないかと言われているものの、糖質制限ダイエットの第一人者がその反対派の指摘する病気によって急死してしまいました。

 しかし、糖質制限ダイエットが、実際に糖尿病が治らなくて苦しんでいる人たちに、短期間で劇的な改善をもたらした例が多々あるのも事実です。

 そうした劇的な改善効果が期待できるものの、その安全性が確立されたわけでもないのが悩ましいところです。

 もしあなたが、糖尿病でインスリンを打つしか為す術がない、ひどいメタボで同しようもないという状態であれば、糖質制限ダイエットを試してみることは意味あることといえます。しかし、あなたがちょっとした運動や食生活の改善などで治せる程度の状態であれば、糖質制限ダイエットは必要ないのです。

 今回の桐山秀樹氏の急死で、糖質制限ダイエットはダメだ、危険だ、と短絡的に考えるのではなく、各自各々の状態を鑑みたうえで、うまく、糖質制限ダイエットの考えを採り入れていきましょう。

 

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