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ポケモンGOでうつ病の症状が改善する人が続出?

世界中で爆発的な人気を呼び、社会現象を引き起こしているポケモンGO。

 バーチャルな生き物である「ポケモン」をリアルな世界で探すという、従来のゲームにはなかった新しいカタチの、バーチャルとリアルを融合させた遊び方をするゲームが、予期できなかった様々なカタチでトラブルを引き起こし、問題になっています。

 そうした悪い面のニュースばかりが連日報道される中で、ポケモンGOの良い面として注目されているのが、うつ病の症状が改善したという人たちの声です。

(日本語訳:本当にポケモンGOがうつ病を治すのに非常に役立っている。実際に人と話をしているし、ポケモンGOも楽しんでいる。非常に喜ばしい。)

(日本語訳:しかしながら本当にここ数年で、外出してこんなにいい気持になったのは初めてだ。ポケモンGOはうつ病を治すのに役立っている。本当に驚きだ)

 コンピューターゲームはむしろ、今まではうつ病の一因とされていたほどでした。しかしポケモンGOは従来のコンピューターゲームとは異なるコンセプトで制作されているといいます。つまりポケモンGOのコンセプトの中にはうつ病を治すヒントが隠されているのでしょう。

 ポケモンGOを使ってうつ病を治したいと思う人はもちろん、ポケモンGOは使いたくないけどうつ病は治したいという人のためにも、ポケモンGOの何がうつ病の症状緩和に役立っているのかを分析します。

コンピューターゲームはうつ病の原因?

 そもそもなぜうつ病になるのか、その原因はいまだかつて明らかにされていません。よって、コンピューターゲームがうつ病の原因なのかは断定はできないものの、BMC Psychiatry誌オンライン版2012年7月28日号の報告によると、ゲーム歴が長いほど重度のうつ病患者が多いという関連性が、統計から明らかになっています。

・1ヵ月の調査でオンラインゲーマー722名(平均年齢:21.8±4.9歳)の調査が完了した。
・調査協力者の内訳は、男性601名(83.2%)、女性121名(16.8%)であった。
・オンラインゲーム利用時間の平均値は28.2±19.7時間/週であり、オンラインゲーム歴(r=0.245、p<0.001)、総DSSSスコア(r=0.210、p<0.001)、SPINスコア(r=0.150、p<0.001)、CIASスコア(r=0.290、p<0.001)との相関が示された。
・女性では男性と比較し、オンラインゲーム歴が短く(6.0±3.1年 vs 7.2±3.6年、p=0.001)、オンラインゲームの利用時間も短かったが(23.2±17.0時間/週 vs 29.2±20.2時間/週、p=0.002)、DSSSスコア(13.0±9.3 vs 10.9±9.7、p=0.032)、SPINスコアは高かった(22.8±14.3 vs 19.6±13.5、p=0.019)。
・年齢と教育年数で調整した線形回帰モデルでは、DSSSスコアの高値は、女性、SPINスコア高値、CIASスコア高値、オンラインゲーム利用時間の長さと関連していた。
・オンラインゲームの利用時間の長さは、オンラインゲーム歴の長さ、より重篤なうつ病・社会不安障害、インターネットネット依存症状と関連していた。
・女性オンラインゲーマーは、オンラインゲーム利用時間およびオンラインゲーム歴が短かったが、より重篤な身体症状、痛み、社会不安障害を伴う傾向にあった。
・うつ病の予測因子として、より重篤な社会不安障害・インターネット依存症状、オンラインゲーム利用時間の長さ、そして女性であることが挙げられる。

 ゲームをするからいうつ病になるのか、うつ病になるからゲームにハマるのか、その因果関係はわかりませんが、ゲームがうつ病の悪化の原因になっていることは、上記の統計結果から明らかでしょう。

 となれば、スマートホンを利用したコンピューターゲームであるポケモンGOも、うつ病をより進行させてしまいかねない危険性が考えられます。しかしながら、逆にポケモンGOによってうつ病の症状が緩和したと訴えている人が次々と出てきています。

 つまり、ポケモンGOが従来のコンピューターゲームと違うところに、うつ病を治すための方法のヒントが隠されているのです。

 ではポケモンGOはどのようなコンセプトによって制作され、従来のパソコンゲームと比べて、どのような違いがあるのでしょうか?

ポケモンGOが今までのパソコンゲームと違う所

 今までのコンピューターゲームは、ゲーム機がおかれている場所でプレイをしなければなりませんでした。つまりプレイ中はずっと家にこもらなければならなかったのです。

 しかしポケモンGOの場合、同じ所にとどまっていると、ゲームが進行しないため、事実上、プレイをするには動きまわらなければならなりません。

 株式会社ポケモンの石原社長の言葉を借りれば、「公園に行けば(ポケモンの)ピカチュウに会える」「池のそばに(水辺に暮らす設定の)みずタイプのポケモンがいるよ」という具合に、「ゲームをプレイする=外出する動機」になったのです。

 これがそれまで家にこもりきりだったうつ病患者たちのプレイヤーに思わぬ効果、うつ病の症状の改善をもたらしたのです。

  今まで外に出ることをしなかったような人たちも、ポケモンGOのおかけで外に出るようになった。

外出することでうつ病が治る!

 うつ病の特徴として代表的なものが、「やる気がおこらない」というものです。

 このため、外に出ようという意欲がわかないために、活動力が低下し、現実を避けるようになり、もわかず、部屋に閉じこもりっきりになり、よりうつ病の症状が進行していくといったうつ病の悪循環に陥ると言われています。

うつ病を治す方法のヒントはポケモンGOにあった! 1  - 1cf150ac8bd6643dcb55e7396617350c 01 - うつ病を治す方法のヒントはポケモンGOにある!症状改善はなぜ起きるのか?

 うつ病患者は現実社会につきもののストレスを避けるために、外出もせず、人との関わりも避け、自分から何もしようとしなくなるために、周りの人が何かしようにも、手の施しようがありません。

 結局は何か奇跡的な自発的なきっかけを期待する以外ないのです。

 うつ病における精神状態には波があり、たまに何かをやろうという意欲が湧いた時に、とっつきやすいゲームを気晴らしに利用し、ゲームにのめり込んでいきます。そしてゲームは部屋を出ること無く完結するために、ゲームにのめり込むほど、うつ病は悪化する一方でした。

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 しかしポケモンGOにのめり込むほど、うつ病患者とはいえ、外出せざるを得ない状況になります。しかも周りからの圧力によって外出するのではなく、ポケモンGOをやるうつ病患者が自発的に外出を欲すという状況が、うつ病の症状の軽減に役立つのです。

 この外出が、うつ病を治すきっかけを与えるということは前々から多くの所で指摘されてきました。

 テクノロジーが人の行動やメンタルヘルスに及ばす影響についての専門家であり、過去20年にわたってネット上での人々の行動を研究してきたGrohol博士いわく、運動が精神状態にいい影響を与える事実は20年前から確認されているとのこと。運動すればするほど症状が軽くなり、精神療法や薬物治療できないときは、特に効果が高いと述べられています。

 またネットやゲームと健康の研究をしている米国のジョン・グロール医師は、ポケモンGOがうつ病の症状を軽減するということに関して次のようにコメントしています。「外に出て新鮮な空気を吸い、他人と交わるシンプルな行為が、どれほど心の健康に良い影響を与えるかは証明済み。うつ状態のときに体を動かそうという気持ちになるのは難しいが、そのモチベーションを高めるのに有効だ」

 うつ病を治すために有効な外出する、というきっかけを、ポケモンGOは与えてくれるのです。

自然に触れることでうつ病が治る

 ポケモンGOはプレイする人に外出を促しますが、ポケモンがよく出没するスポットが公園といったような自然が豊かな場所に設定されていることが多いのも特徴です。

 外出するということが、うつ病の改善に大きな貢献をするのですが、その外出先が、自然に触れることのできる場所であれば、より効果的にうつ病を治すのに役立つのです。

 緑が人を癒やすとはよく言われてきたことですが、それはうつ病にたいしても同じで、そうした効果は研究や統計からも明らかになってきています。

 スタンフォードから出た論文(英文)によると、森や木々のなかを歩くだけでも、かなりうつ病の改善につながるとされています。

 また英エクセター大学医学部のIan Alcock博士が、5年にわたり1,000人以上の被験者のデータを分析した結果、緑の多い都市部に移り住んだ人のメンタルヘルスは急速に回復し、3年経っても良好な状態を保っていると判明した。 一方再度緑の少ない都市部へと移った人たちは、精神の健康が悪化する傾向にあったといいます。

 森林浴がうつ病を治すのに効果的だ、自然に触れることがうつ病の症状を改善すると分かっていても、なかなか外に出れないのがうつ病なのですが、ポケモンGOはそうしたうつ病患者を外に連れ出すことを促し、そして自然にふれさせるのです。

うつ病を治す方法のヒントはポケモンGOにあった! 1  - 1cf150ac8bd6643dcb55e7396617350c 01 250x167 - うつ病を治す方法のヒントはポケモンGOにある!症状改善はなぜ起きるのか?

人とコミュニケーションをとることでうつ病が治る

 うつ病患者は極端なコミュニケーション障害に陥るのも大きな特徴のうちの一つです。

 人とコミュニケーションを取りたがらない理由は、コミュニケーションの失敗を恐れることが、ストレスになり、それが思考の悪循環を招いてしまうためだといいます。失敗を恐れるが故に、他人とのコミュニケーションを避けると、より孤独を感じるようになり、うつ病の悪循環の深みにはまていってしまうことになります。

 一度、自分がコミュニケーション障害ではないのか、と自覚してしまうと、より人との交流が怖くなり、避けるようになってしまいます。人と話そうとしても、何を話せばいいのかわからなくなるのです。

 そうした状態を打破し、できるのが、ポケモンGOなのです。

 ポケモンGOはゲームの進行の一部として、意図的に他の人とコミュニケーションを促すようなプログラムになっています。集めたポケモンをプレーヤー同士で対戦させたり、交換したりするのようになっているのです。

 つまり、人とコミュニケーションをとるのを怖がるうつ病患者で、人とコミュニケーションを避けようとしているにもかかわらず、ゲームをプレーしているなかで気づかないうちに人とコミュニケーションをとっていたという状況になるわけです。

 そしてそのコミュニケーションも、ゲームの一環としてのコミュニケーションであるために、相手のリアクションはほぼ予測できる簡単なコミュニケーションになります。

 つまりポケモンGOを通じてのコミュニケーションは失敗の起こりにくい、簡単なコミュニケーションであるために、うつ病の人にやさしいコミュニケーションとなるわけです。 

 ポケモンGOがうつ病の人たちにとって、いかに他人とのコミュニケーションを促し、またコミュニケーションを容易にしているかは、次のツイートからも伺われます。

「ポケモン GOを通じて出会った人たちはみんないい人ばかり。人って思っていたよりもこわい存在じゃないんだね」

「ポケモン GOのおかげで、自分の部屋から出て、人々と話したいと思うようになれた。こんな風に思うのは本当に何年ぶりだろう」

まとめ

 上記で見てきたようにポケモンGOは、うつ病の症状を改善させる効果があるのは事実です。しかし、ポケモンGOは決してメンタルヘルスを向上させるように作られてモノではなく、あくまでもゲームとして作られたものです。

 たまたま、うつ病といった症状のある人には、それを改善させる働きがありますが、うつ病ではない人にとっては、単なるゲームに過ぎず、ポケモンGOによって、精神面が強くなるというような作用は期待できません。

むしろ、うつ病でない人がポケモンGOにのめりこんでしまうとで、健康的な生活を阻害されかねません。それは連日報道される、ポケモンGOによる事故などの報道を見れば明らかでしょう。

 うつ病であるならまだしも、そうではない人は、ポケモンGOに過剰な期待をせず、節度をもった使い方をしたいものです。

  

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