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インフルエンザの予防接種は効果なしはウソ?ネットのデマか製薬会社の陰謀か?

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ワクチンはすべて効かないどころか全て必ず病気が増える?

 現代医療や西洋医学を徹底的に否定し、「自閉症や発達障害や知的障害はこの世に存在するわけがないので、その親は一生反省してもらってけっこう」という過激な発言をし、物議を醸しだしている内科医、内海聡さんはワクチンに関して次のように言っています。

「ワクチンは、すべて全く効かない。効かないどころか全て必ず病気が増える。独立系の研究機関の研究を見たら一目瞭然です。すべてのワクチンは無駄なんですね。じゃあ なんで こんなものが売られてるのという話なんですが。なんで こんなものが売られているのかということを皆さんに考えていただきたいということですね」

非常に過激で、刺激的で、しかも自信ありげに書かれているので、思わず引き込まれてしまいます。そしてさらに、ワクチンを打つことでインフルエンザにかかりやすくなるとまで言っています。

そもそもインフルエンザウイルスは、そもそも鼻やのどから感染しますが、これを防ぐIgA抗体をまったく増やさない現行のワクチンで予防できるわけありません。皆さんの周りのもいると思いますが、インフルエンザワクチンはインフルエンザを防がないではなく、インフルエンザワクチンを打った方がインフルエンザにかかりやすい、というのが本当のところです。

 衝撃的な言葉です。私たちは何か大きな組織に騙されているのでしょうか?それともこんなことをいう内海聡医師の頭がおかしいだけなのでしょうか?

 言葉ではいくらでも言うことできますが、そのような過激な主張をする根拠は何なのでしょうか。

インフルエンザの予防接種は効果なしはウソ?ネットのデマか製薬会社の陰謀か?生活 4

インフルエンザワクチン嘘説を煽るNAVER まとめ 

さらに「インフルエンザ」「ワクチン」で調べると上位に挙がってくるのが、インフルエンザワクチンは打たないで!【常識はウソだらけ】というNAVERまとめです。

 このNAVERまとめの大部分は、母里啓子氏が書いた「インフルエンザワクチンは打たないで」という本からの抜粋で構成されている。

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 インフルエンザ・ワクチンはまったくと言っていいほど効かないのですよ。これは私たちウイルスを学んだ者にとっては常識です。

 この言葉を発言している母里啓子氏は、実際、ウイルス学を修め、国立公衆衛生院(現・国立医療保健医療科学院)疫学部感染症室長も務めているとなれば、なにやらただ事ではなさそうな雰囲気です。

 それにしても、ウィルスを学んだ人たちの間で、インフルエンザ・ワクチンは効かないということが常識なのに、なぜ日本のみならず世界的にインフルエンザのワクチン接種が続けられているのでしょうか?インフルエンザのワクチンを推し進める勢力は、全世界のウィルスを学んだ人たちのすべての声を押し殺してしまうほど強力なのでしょうか?

 はたしてインフルエンザワクチンは打たない方がいいのでしょうか?インフルエンザワクチンを打つなと言っている人たちは正しいのでしょうか?

インフルエンザ・ワクチンを打つか打たないかどう決める?

 これだけインフルエンザワクチンの接種が普及し、当たり前のように行われている現代において、その効果を疑う人はほとんどいないでしょう。多くの人はそれほど考えずに、ただ、ワクチンでインフルエンザが防げると思って、ワクチン接種を行っていることと思います。

 そのために、「実はインフルエンザのワクチンは効かない。製薬会社が医者と共謀してマスコミを巻き込んで、インフルエンザワクチンが効くと思い込ませて、大儲けを企んでいる」なんてことを言われると、今まで何にも考えていなかったからこそ、その反動で騙されていたんだと思い込んでしまう人も多いことでしょう。

 インフルエンザワクチンが一定の予防効果があることは事実ですし、多少なりとも事故が起きることも事実です。ワクチン接種をしてもインフルエンザにかかる人がいるのも事実です。ワクチン接種をやめれば、リスクはゼロになるのは当然ですが、それによってインフルエンザにかかりやすくなり、また重症化しやすくなるのであれば、どっちのリスクをとるかという話になるでしょう。

 ワクチン接種をするとリスクが高まるというのであれば、ワクチン接種をしないばあい、ワクチン接種のリスク自体はゼロになりますが、インフルエンザのリスクは高まる可能性があるわけです。

 インフルエンザのワクチン接種は効かないと主張する人たちの過激で扇動的な言葉を頭から信じ込んで、インフルエンザワクチン、NOという前に、インフルエンザのワクチンを接種しない場合のインフルエンザのリスクについて、冷静に考えるべきです。

政府が招いたインフルエンザワクチンの連続事故死?

 インフルエンザのワクチンが効かないという説は内海聡さんや母里啓子さんたちが作り出した妄想が原因ではありません。2009年に起きたインフルエンザのワクチン騒動によって政府やマスコミの対応に対する不信感が高まり、それがインフルエンザのワクチンも実は薬害を招いているのではないかということから、インフルエンザワクチンは効かないという説が一気に広まりました。

 その騒動とは、2009年に新型インフルエンザが広まるということで、政府が緊急でワクチンを輸入しました。5000万人分のインフルエンザワクチンを輸入したのですが、その金額は1100億円にも上ったといいます。ところが当初、豚由来の新型インフルエンザだと騒がれたが、ただの季節性インフルエンザだったことが判明したために、その輸入したワクチンはわずか1250人に摂取されただけで、残りのワクチンは破棄されてしまいました。

 その際、インフルエンザのワクチンは基礎疾患のある老人に優先的に打たれたのですが、接種後に死亡した人が133人に上りました。

 確かにもともと基礎疾患がある患者にワクチンを打っていたので、厚生労働省はその133人の死亡はもともとの疾患が原因であり、ワクチン接種との因果関係を認めようとしませんでした。厚労省で開催された「新型インフルエンザワクチン予防接種後副反応検討会」と薬事審医薬品安全対策部会安全対策調査会の発表をもとに、なされた報道においても、専門紙ですら「新型ワクチン「安全性は十分」」「死亡例「ワクチンとは明確な関連なし」(医事新報 11.28号)として、マスメディアも同じような論調だったといいます。臨時 vol 393 「新型インフルエンザワクチン接種後の早期死亡事例を検証する」

 そのことに対して、週刊朝日が「新型インフルエンザワクチン接種後26人死亡 「死にすぎ」の怪」と、政府の対応に疑問を投げかける記事を載したことがきっかけで、インフルエンザのワクチンは、第二の薬害エイズ問題ではないかという懸念とともに、インフルエンザワクチンは効かない説が一気に広まりました。

 こうしたことがきっかけで、インフルエンザワクチンは実は効かないけど、政府が輸入し過ぎた在庫処理のために、無理やり打たせているなどといった、インフルエンザワクチン陰謀説がまことしやかに語れるようになりました。

ワクチンを打ってもインフルエンザになるために広がった誤解

 今はインフルエンザのワクチンに関しての正しい知識が広がってきているので、インフルエンザワクチンを打ってもインフルエンザになることがあるということに対して、疑念を抱く人は少なくなってきています。

 たしかにインフルエンザは常に変異しているので、事前にその年のインフルエンザウィルスに効く抗体を作り出すことは難しく、よってワクチンを接種しても、抗体が効かずにインフルエンザにかかってしまうことも珍しいことではありません。

 しかしだからといって、すぐに「インフルエンザのワクチンは効かない、打っても無駄」と思わないでください。なぜなら、たとえ型が違うインフルエンザのワクチンを打った場合でも、ワクチンを全く打たなかった人よりもインフルエンザにかかってしまった際の死亡率、重症化する率が低いということが、アメリカの研究で発表されています。

確かに、ワクチンは流行する遺伝子型を予測して製造しますから、実際に流行するウイルスの型は必ずしもその予測と一致しません。しかし、インフルエンザワクチンは入院するリスクを減らすことができ、心臓病、糖尿病、肺の病気を持った人がインフルエンザになった時に重症化するのを防いでいることがわかっています。実際、2014年のアメリカの研究では、2010~2012年のインフルエンザシーズンに小児集中治療室(PICU)に入院する危険性を74%減らしたことがわかりました。

 ワクチンの接種がインフルエンザになった際の重症化を防ぐといわれるゆえんです。

前橋レポートはワクチン反対派のねつ造だった?

インフルエンザワクチンは効かないと主張する母里啓子や、インフルエンザワクチン反対派の人たちは、その根拠としてよく前橋レポートといわれるものを引き合いに出します。母里啓子氏はその著書の中で次のように言います。

 インフルエンザワクチンももちろん効きません。有名なのは前橋医師会のレポートがあります。ある児童の予防接種事故をきっかけにして集団接種を中止した前橋市は、研究班を立ち上げました。そして5つの市で計75000人を対象にして6年間にわたり、インフルエンザワクチンの疫学調査をしました。そして罹患率が全く変わらずワクチンが何の効果も示さないことを証明しました。

 5つの市で75000人を対象に6年間にわたって調査されたレポートだといわれれば、誰もその内容を疑う人はいないでしょう。1979年から行われたこの調査、そしてその結果があるにも関わらず、なぜ今だにインフルエンザワクチンが行われているのでしょうか。

 よっぽど巨大な悪の力が働いていて、ワクチンで大儲けするために、前橋リポートを隠蔽しているのでしょうか?

 実は前橋リポートは、インフルエンザワクチンの効果を測定するための調査としてはあまりにもお粗末な調査で、またそれをもとにまとめられた前橋リポートは、調査結果をはじめから「ワクチンは効果なし」という結論を導くためにかなり恣意的にデータを改竄していたのです。

 前橋リポートの調査の問題点として挙げられるのは、まず「5年間に及んだ調査」としているものの、それはHI抗体価調査のことであり、非接種地域と非接種地域との比較は2年間しか行っていませんでした。

 そしてその調査においても、インフルエンザの感染者の定義が、まるででたらめだったのです。感染の定義は発病ではなくインフルエンザ予防と関連性の薄い抗体価の上昇としていたのです。前橋レポートの「欠席率・発熱率」の定義づけでは、風邪など他の病気も含まれるため、インフルエンザの実態を正確に反映していなかったわけです。

 この調査における欠席者は、「流行期間内に一回でも欠席したことのある者については,インフルエンザにより欠席したものと見なして算出した」となっており、発熱者は「38度以上の発熱」をした者とされています。一般的な風邪や、ノロなど発熱を伴う感染性胃腸炎などでも、すべてインフルエンザ患者とみなされていました。前橋レポートの問題点(HI抗体価調査の欠点)

 客観的な診断ではなく、いうなれば自己申告。極端なことを言えば、学校に行きたくないからといって、熱があると嘘ついてズル休みしても、インフルエンザとカウントされてしまっていたわけです。それはある程度仕方のないことでした。というのもこの時代は、まだ風邪とインフルエンザを厳密に見分けることができる検査キットのようなものがなかったのです。

 こうした実にたよりない調査結果を、自分たちの主張に沿うような形で曲解、改ざんしていたといいます。

たとえば次のグラフの黒枠と赤枠を比べて見ると、確かにワクチンを接種してもしなくても、インフルエンザにかかっている割合はそれほど変わらないと思うでしょう。

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このグラフは前橋リポートの調査結果より作成されたものですが、この時の児童のインフルエンザ予防接種は、二回することで予防に必要な免疫を獲得するので、ワクチン接種率は、0回の児童と2回の児童を比べるべきでした。ところがこのグラフを作成した際、1回でも接種したら、接種にカウントさせていたのです。

 これ以外にも、5つの市で調査したにも関わず、自分たちの望む結果にならなかった安中市を、調査結果から除外して統計を出したりしていることが、レポートを熟読すると判明します。前橋レポートの中身(接種の有無による罹患率の差)

 そもそも、このレポートが出されてからすでに40年近くたった今、すでにこの前橋リポートよりもより厳密に、より正確に、より詳細に調査された結果があり、そしてそれらが、インフルエンザのワクチンの有効性を証明しているのです。

 それと同時に時代は進み、医学の進歩も目覚ましく、ワクチンの品質も格段に上がっています。そんな状況の中で、いまだに40年前のデータを引っ張り出して、現代医学におけるワクチンを語ること自体、ナンセンスだということは誰でもわかることだと思います。

ワクチン集団接種を廃止した途端死亡率が上がった

 1994年に厚生省はそれまで義務だったインフルエンザのワクチン集団接種を廃止してしまいました。このことをさして、インフルエンザのワクチン接種反対派は、「ついに政府がワクチンの効果がないことを認めた」「効果がないから廃止した」と言いますが、それは事実ではありませんし、その後、この集団接種をやめた途端に死亡率が上がったことが統計によっても証明されているのです。

 1994年に予防接種法の大幅な改正を行い、それまで義務接種であった定期予防接種を努力義務、事実上の任意に切り替えました。この予防接種法改正のきっかけは、けっして国がワクチンの効果がないということを認めたわけではありません。1989年から実施されていたMMR三種混合ワクチン接種後に起こった無菌性髄膜炎に対する複数の訴訟で国が敗訴した事が大きな要因です。

 この敗訴をきっかけに、予防接種に対する国民の関心が高まり、最も接種者数が多いインフルエンザワクチンが槍玉にあげられることになります。

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 その結果、大した根拠もなしに騒ぎ立て、マスコミはワクチン接種を問題視し、前述したようなワクチン接種反対派のような主張が派手に採り上げられるようになりました。

 確かにその当時はインフルエンザのワクチンの研究もまだ発展途上にあり、わからない部分も多く、またワクチンは生物製剤ですから、その品質もどうしてもばらつきが出てきて、100%完全に安全だとは言い切れません。

 となれば、それを国が強制的に接種させれば、強制した国が責任と問われることになるため、法改正で任意に切り替えたわけです。

インフルエンザワクチンはMMRワクチンの問題が話題になり始めた1989年位から接種者数が減り始め、予防接種法改正の1994年~1999年までは殆ど接種が行われませんでした。

ところが、その結果1989年頃から乳幼児のインフルエンザによる超過死亡が増え始め、それと同時に高齢者のインフルエンザによる超過死亡も増加していったのです。この傾向はインフルエンザワクチンの接種が再開される2000年頃まで続き、その後はワクチンの接種者数の増加と反比例して乳幼児と高齢者のインフルエンザによる超過死亡は減少していきました。

 その傾向は国際疫学会に提出された論文、「日本とアメリカ人の高齢者におけるインフルエンザ関連死亡率の推移:ワクチン接種した学童の関連死亡率」にあるグラフを見れば一目瞭然です。

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グレーの棒グラフはインフルエンザワクチンの配布数で赤と青は死亡数の推移をあらわるものです。1994年で灰色の棒グラフが0になっているのが確認できると思います。これは厚生省がインフルエンザの集団接種をやめた年です。その年を境に赤と青の折れ線グラフは上昇の一途をたどっていますね。そして再びインフルエンザのワクチン配布率が上がると、それに応じて死亡率も以前のレベルに収束しています。

 だれがどう見ても、インフルエンザワクチンの効果は一定の有効性があることが理解していただけたと思います。

 いまだにインフルエンザのワクチンは効果なしと言っている人は、1994年当時のマスコミの誤報をそのままうのみにし、いまだに引きずっているだけにすぎないといっても過言ではないでしょう。

日本政府もWHOもワクチン接種を推奨している

 厚労省が1994年にワクチンの集団接種をやめた経緯は上述したとおりで、決して効果がないことを認めたわけではありません。むしろ集団接種をやめたものの、引き続き、ワクチン接種をするように呼び掛けています。

 それは当然でしょう。先に挙げたグラフの結果を見れば、集団接種をやめた途端、死亡率が上昇し続けているのを見れば、インフルエンザのワクチンが死亡率を抑制していた効果があったことが一目瞭然だからです。

 そして何も、これは日本だけのことではありません。

日本以外の国では、「インフルエンザは自然治癒するウイルス感染症で、抗インフルエンザ薬は必要ない」という意見が主流だ。
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 と、薬剤師、栄養学博士(米AHCN大学)である宇多川久美子氏はリスクを伴うタミフルやリレンザ! それでも抗インフルエンザ薬に頼るのか?という記事の中で述べていますが、それは全くのでたらめです。その何よりの証拠に、WHO世界保健機関のホームページでは世界向けにワクチンの有効性を認め、ワクチン接種がインフルエンザの防止において、一番効果的な手段であるとはっきり宣言しています。日本の厚労省の見解と全く同じです。

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ワクチン接種は、インフルエンザウィルスの感染を防ぐ手段として最も効果的な手段です WHOのサイトより

宇田川久美子さんは、ちょっと調べれば簡単にわかるようなことを、なぜ大胆に嘘をつくのか、それとも、単に勉強不足で知らなかっただけなのか。まったく意味不明です。

インフルエンザワクチンのリスクは取るに足らないか?

 インフルエンザのワクチンには予防効果がない、というのはでたらめであり、むしろ十分な予防効果があることに間違いないことはわかっていただいたと思います。

 インフルエンザのワクチンの安全性は年々高まっていますし、インフルエンザのワクチンの効果の精度、品質も向上しています。インフルエンザのワクチンを打たなかったことによる死亡率よりインフルエンザを打ったことによる死亡率の方が低いことは統計によってすでに証明されています。

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 しかしインフルエンザのワクチンとは、病原体(ウイルスや細菌)をあらかじめ投与し、ウイルスに対する抗体を作り、病気にかかりにくくしています。おおざっぱに言えば、毒を体の中に入れるようなものです。であれば、何かしら副作用が出て当然でしょう。

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 大なり小なり、その危険性は確実に存在します。毎年、ワクチン接種が原因で死者が出るのも事実です。宝くじの一等賞があたるよりも低い確率かもしれませんが、その確率が自分に回ってくる可能性がゼロではありません。

 

 しかしインフルエンザのワクチン接種で起きる事故は、事前に注意して入れば防げたものばかりです。多くの人は、インフルエンザワクチンの安全性の過信から、「すでに予約してしまったから」「その日しか都合がつかないから」ということで、体調などを考慮せずにワクチン接種してしまいます。今一度、インフルエンザは危険なものだという認識を持って、インフルエンザのワクチンの接種の際は、その注意事項を熟読し、ワクチンを打つ前、打った後は、最大限の注意をしましょう。それにより、確実にワクチン接種のリスクを減らすことができるのです。

インフルエンザワクチンの予防接種を受けるにあたっての注意事項

インフルエンザと合併症

患者様の咳やくしゃみにより空気中に浮かんだり手にていたインフルエンザウイルスが、気道に感染します。感染して 1~5 日すると、だるくなったり、急な発熱、喉の痛み、咳、くしゃみなどの症状が出始めますが、普通は約1 週間で治ります。しかしお年寄り、赤ちゃん免疫力の低下している人や大人でも体力の弱っている人などが感染した場合は、重篤な経過(肺炎、死亡など)をたどることがあり、注意が必要です。

ワクチンの効果と副反応

ワクチンの効果について以前から議論されてきましたが、ワクチン接種を受けていれば、インフルエンザに感染しても症状が軽くすみます。また、重症化して入院することを防ぐ効果は30~70%程度といわれています。ワクチン接種に伴う副反応として、発熱や、注射部位が赤く腫れたり、硬くなったりすることがあります。発現頻度は、発熱は100 人に数人くらい、赤く腫れたりするのは10 人に1人位です。まれに生じる重い副反応としては

  1. ショック、アナファラキシー様症状(じんましん、呼吸困難など)、
  2. 急性散在性脳脊髄炎

次の方は接種を受けないでください。

  1. 明らかに発熱している方(通常は37.5℃を超える場合)
  2. 重い急性疾患にかかっている方
  3. 本剤の成分によりアナファラキシー(通常接種後30 分以内に出現する呼吸困難や全身性のひどいじんましんを伴う思いアレルギー反応のこと)を起こしたことのある方
  4. その他、いつも診てもらっている医師にワクチンは受けない方がいいといわれた方

次の方は接種前に医師にご相談ください

  1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患及び血液疾患などの基礎疾患のある方
  2. 薬の投与または食事(鶏卵、鶏肉など)で発疹がでたり以上をきたしたことのある方
  3. 過去にけいれん(ひきつけ)の既往症のある方
  4. 過去にインフルエンザの予防接種を受けたとき、2日以内に発熱、全身性の発疹、じんましんなどのアレルギーを疑う症状のみられた方
  5. 過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方、近親者に先天性免疫不全症の者がいる方
    気管支喘息のある方
  6. 妊娠している方
  7. 出産時に未熟児で発育の悪い方(接種される方がお子さんの場合)
  8. 発育が悪く、医師、保健師の指導を受けている方(接種される方がお子さんの場合)

接種後は以下の点に注意してください。

  1. 接種後30 分間は、アレルギー反応(息苦しさ、じんましん、咳など)が起こることがありますので、医師とすぐ連絡が取れるようにしておきましょう。
  2. 副反応(発熱、頭痛、痙攣など)の多くは24 時間以内に発現しやすいです。接種後1 日は体調に注意しましょう。万が一、高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
  3. 接種後に接種部位が赤く腫れて痛む場合がありますが、通常4~5 日以内に軽快します。なお体調に変化があれば速やかに医師の診察を受けてください。
  4. 接種後の入浴は問題ありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
  5. 接種当日はいつも通りの生活をしてください。但し接種後は接種部位を清潔に保ち、接種当日は激しい運動や大量の飲酒は避けてください。

 このように、非常に事細かなインフルエンザのワクチン接種に際しての注意事項があります。多くの人は、こうした注意事項を読まずに接種してしまいます。

 今一度、インフルエンザのワクチン接種は、危険なものだという認識を持ち、こうした注意書きをよく読んで、その危険を避けるための準備をしましょう。

インフルエンザのワクチン予防接種での事故は補償される

 あまり考えたくはないですが、万が一インフルエンザのワクチン接種後に、体調不良を感じたり、なにかしらの副反応が認められた場合は躊躇することなく、医者に連絡しましょう。

 また、あまり知られていませんが、インフルエンザのワクチン接種による副作用、事故に関しては、国から補償されるということも、覚えて得おきましょう。

 予防接種による健康被害救済制度について

○ インフルエンザワクチンの予防接種によって引き起こされた副反応により、医療機関せの治療が必要になったり、生活に支障が出るような障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、法律に基づく補償を受けることが出来ます。

○ 健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金葬祭料以外は治療が終了するまたは、障害が治癒するまでの期間まで支給されます。

○ 但し、その健康被害が予防接種が原因なのか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいはべつの要因など)によるものなのか因果関係を、予防接種・感染症医療・法律など、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることが出来ます。

外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。厚生労働省ホームページ 予防接種健康被害救済制度

まとめ

 見てきたように、インフルエンザのワクチンは効果がないという主張は、根拠に乏しい、あるいはデータを曲解ねつ造して作られたものにすぎないというのが、客観的な分析からも明らかになったと思います。

 このように、ちょっと調べれば、インフルエンザのワクチンは効果がないという主張は、まったくのでたらめであることがすぐにわかりますし、またそれらを詳しく解説しているウェブサイトもたくさんあります。

 にもかかわらず、毎年毎年、一定数の人は、「インフルエンザのワクチンは効果がない」という陰謀説を真に受けて信じ込んでしまう人が後を絶ちません。

 いたずらに危険性を煽る人たちの言葉に惑わされず、冷静にワクチンの有用性と、そのリスクを比べ、それぞれのワクチンの固有のリスク、副作用などをしっかりと分かったうえで、ワクチンを打つか、打たないかを決めたいものです。

またインフルエンザはワクチン以外にも予防する方法があります。インフルエンザにかからないためにも最大限、予防しましょう

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