水素水ビジネスにに詐欺が横行する原因
水素水と聞いて、反射的に「詐欺」「いんちき」なんて言葉が浮かんでくる人も多いのではないでしょうか。正直なことを言うと、私もついさっきまでその一人でした。
実は、水素水のニセ科学ぶりをまとめようとして、水素水の効果に関して、調べれば調べるほど、水素水をニセ科学だと断じる人たちこそが、ニセ科学だということに気づいたのです。
確かに水素水をとりまくビジネスにおいて、詐欺的な商法が多数存在するのは紛れもない事実です。水素自体は無味無臭無色透明であるために、人間の五感ではその水に水素が含まれているのかを判断することができません。 そのため水素が入っていないにもかかわらず、水素水として一般販売されているものさえあったのです。
週刊文春が市販の水素水を購入し、その濃度を調べた結果が雑誌に掲載され、ちょっとした騒動になりました。
またつい最近も、健康食品や化粧品販売をマルチ商法によって販売している業界大手のナチュラリープラス社は、同社の商品として水素水を、事実と異なる効能を告げて、連鎖販売方式、いわゆるマルチ商法によって詐欺的なビジネスをしていたということで、平成28年3月9日に消費者庁から業務停止命令を受けています。
どのような効能を謳っていたかは消費者庁から出されている業務停止命令で確認できます。
- 心筋梗塞とか動脈硬化が治る。
- 薬を一緒に飲めば薬 の効果が増す。
- 重症の病気を治すこ とができる。
- がんにも効く。
- 1か 月飲み続けるとどんな病気でも良くなる。元気になる。
- 足腰を強くすることができる
水素水をめぐり、こうした詐欺ビジネスが横行し、その問題が次々と表面化してきているのですが、問題があったのは販売の方法や、その商品のでたらめな説明が問題であったわけで、水素水の効果が詐欺だった、というわけではないのです。
しかし、一般の人たちはそんなことを知る由もなく、水素水=詐欺・インチキ そんなイメージを抱いてきてしまったのです。
意外と真面目に進んでいる水素水の研究
こうした水素水を取り巻く状況を尻目に、水素水、また水素を医学に応用する水素医学の研究は着実に進んでいて、2016年5月現在では、「450報、臨床試験に関する論文が20程度出版されています。現在も20を超す大学で臨床試験」が行われていると、水素医学研究の第一人者である太田成男教授は言いい、この発表数に関して、「最初の論文から、わずか8年間で人を対象とした臨床研究がこのように次々発表されるのは、異例の速さ」だといいます。
論文の内容に関しても、一番初めの水素水の論文は、動物実験に基づいたものでしたが、人を対象とした臨床試験に関しても発表され、また今後も、人に対する臨床試験が発表される予定だといいます。
つまり、水素水が実際に人間の体に及ぼす、水素水の効果が次々と具体的に証明されつつあるのです。
次のページでは、中部大学の市原教授らが水素医学の発表論文の現状をまとめています。
Beneficial biological effects and the underlying mechanisms of molecular hydrogen – comprehensive review of 321 original articles (水素分子の有益な生物学的効果と基礎となるメカニズム – 321元記事の包括的なレビュー)-
→http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4610055/
こうした現在明らかになりつつ、水素の目覚ましい研究成果を一部業者が悪用し、曲解して、詐欺商法を展開し、また、一部マスコミは読者視聴者の耳目をあつめるために、水素水のネガティブなイメージだけを一方的にとりあげる、報道とは程遠い印象操作に心血を注いでいるのです。

ニセ科学と断罪する人たちの方がよっぽどニセ科学というコント
水素水の世間一般のイメージが、研究の現状とかけ離れているのは、悪徳業者のせいだけではありません。
単に注目をあつめることだけに心血を注ぎ、その報道することの真偽に関しては注意や努力を払わない一部マスコミにもせいでもあります。
真実を伝え、読者がその良し悪し可否の判断を下すべき新聞社が、はじめから水素水はニセ科学だという結論ありきで、不勉強なママでたらめな断片的事実や、無責任で門外漢の専門家、教授の証言を紹介して、水素水はニセ科学だと煽り立てて、言いっ放しの記事を配信し、それを真に受けた読者たちが、さらにそれをもとに、何も事実関係を確認せずに拡散してしまっているのです。
ウソだと指摘する人がウソをついている的な、まさにコントのような展開なのです。
門外漢教授の主張を誤認で記事にしている産経新聞
つい最近では、産経新聞から平沢裕子記者が「話題の「水素水」 かつてブームを巻き起こした「あの水」と同じだった…」という、挑発的なタイトルで水素水は詐欺であると言わんばかりの記事を配信していました。

文中では水素水が詐欺だとは断じていないで、あたかも中立を装ったような書き方をしているものの、水素水を詐欺だと断じている人たちだけの言い分を紹介しているため、この記事を読むと誰でも水素水は詐欺だと思ってしまう、実に産経新聞らしい情報操作丸出しの記事だ。
その平沢裕子記者が水素水を詐欺だと断じている論拠として紹介しているのが、明治大情報コミュニケーション学部の石川幹人教授の説明だ。
研究者でも何でもないデスクで記事を書いているだけの新聞記者が、心理学の研究はしているけども、医学とは関係もなく、もちろん実験に基づいた科学的な反論をするわけでない明治大情報コミュニケーション学部の石川幹人教授が、言説だけで反論を導き出している部分を抜き出して、水素水はニセ科学だと断じてしまっているのであるから、言葉の暴力と言ってもいいかもしれない。
水素水をニセ科学だと指摘された水素医学研究の第一人者である太田教授は自身のホームページで、産経新聞の平沢裕子記者の記事のデタラメ具合に関して次のようにコメントしている。
困った事に誤認に基づく記事です。
まず、活性水素水と水素水を混同しています。活性水素は、原子状水素(H)で、水素水は分子状水素(H2)が溶けた水です。HとH2は、同じHでも全くの別物です。マスメディアに情報を発信される方としては、この程度の区別がチキンと出来ないのでは、恥ずかしいです。 太田成男教授のホームページ →http://shigeo-ohta.com/
医学に関しては門外漢友言える石川教授は盛んに臨床データが少ないといって水素水をニセ科学だという論拠としているものの、それは単に石川教授の認識不足なだけで、上記で紹介したように速いペースで新しい論文が日々発表されている。
その間違った認識を、さらに医学に関してはド素人の産経新聞平沢裕子記者が、誤認に基づいて記事にしてしまっているのです。しかも、水素水はニセ科学だとして。
まさに、ニセ科学と断じていた側であるド素人新聞記者と、門外漢教授がニセ科学的反論をしていたわけです。
ツイッターのつぶやきを水素水がニセ科学の根拠とする毎日新聞記者
毎日新聞は石戸愉というこれまた医学にも科学にもド素人の記者が産経新聞の後追いで水素水ビジネスを採り上げている。その配信元は毎日新聞が運営する、バズフィードジャパンというところであることからも、単に話題になりそうなことに飛びついて、バズらせようとしている感が見え見えである。

この石戸愉記者の書いた記事は、さらに大雑把でテキトウだ。
タイトルは「過熱する「水素水」ビジネス うっかりニセ科学にだまされないために」として、はじめのうちは水素水の宣伝について否定的な見解を紹介しているが、途中でそれが活性水素水や電解還元水の否定に変わり、最後は水素水を否定するつぶやきを紹介するという、ネット上にちらばっている水素水界隈の否定的な落書きを寄せ集めているだけにすぎない。
もちろん、石戸愉記者がその主張を借りてくる人たちもまた、決して実際に水素水を研究したり実験したわけではなく、単に字面だけから、水素水を「ニセ科学だ」と結論付けるだけの人たちだ。
実際に、石戸愉記者が必見!とチカラをいれて紹介している山形大学の天羽優子准教授が運営する「水商売ウォッチング」に関しても、もともと「水素水をニセ科学だ」としていたものの、水素医学研究の第一人者である太田成男教授から指摘をうけ、半ば水素水がニセ科学ではないことを認めた上で、タイトルを次のように変更している。「水素水の宣伝をニセ科学と呼ぶしかない理由」。水素水ではなく、水素水の宣伝が問題なのだということに気づいたわけだ。
天羽優子准教授は水素水がニセ科学ではないとみとめたわけではなかもしれないものの、ニセ科学だと証明することもできないという、実に論理的な理由で修正に応じたのであろう。
しかしながら、そうした天羽優子准教授の意図を曲解し、単にバズらせる効果を狙ってか、ちぐはぐな主張の記事の素材として石戸愉記者が使っている。
インチキだと主張したいがために、インチキをしているようなもので、まさにコントだ。
次に紹介している明治大・石川幹人教授の主張であっても、サイトの注意書きに次のように断り書きがある「本サイトで書かれている具体的な医学的効果や副作用などについてはあくまで参考程度のものとして受け取っていただきますようお願いいたします。」
そりゃそうだ。実際に研究や実験をしたわけでなく、単に読み漁った文章の字面から科学か非科かを推測しているにすぎないからだ。
さらに石戸愉記者の記事がひどいのは、ニセ科学問題に詳しい大阪大・菊池誠教授の主張として、ツイッターの2つのつぶやきを紹介しているだけだ。140字でなんで、水素水がニセ科学だと説明できるのであろうか。しかも、 そのつぶやきも、1/4はでたらめだと堂々と宣言しているものなのです。

伊藤園の水素水ブームへの便乗が姑息すぎる?
そうしたマスコミの悪意ある印象操作を尻目に、飲料メーカーの大手である伊藤園が、水素水を発売しています。
ニセ科学だ、詐欺商法だという印象があるにもかかわらず、なぜ伊藤園は水素水を販売するという英断を下したのでしょうか?
水素水の研究成果の現状を正しく知り、水素水の効果を認めた上で、水素水を販売しているのであれば、大変立派なものです。しかし、残念ながら、伊藤園の販売方法を見ると、水素水の現状がどうであれ、本当であろうが詐欺であろうが売れればOK的なあざとい商魂が見え隠れするのです。
伊藤園が発売した水素水は一部で大変な物議を醸し出しました。しかし売上が順調なのか、一向に販売をやめる気配もなく、昨年には高濃度の水素水も発売しました。
そんな伊藤園に対して厳しい批判の声も多々あるようです。
販売している伊藤園に対し「がっかりした」「怪しい商売に手を出すなんて」と批判が集まる形に。またサイトでも具体的効果については一切触れておらず、代わりに「水素の量」や「水素の抜けにくさ」、モニターからの「お水なのでカロリーも気にせず飲めますね」といった当たり障りのないコメントばかりが並んでいたことから、「詐欺みたいな説明書き」「ギリギリで疑似科学にならないよう気を遣っている狡猾(こうかつ)さを感じた」http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1511/24/news118.html
しかし、上記で説明したように、水素水は根拠なきことではなく、水素水の効能を裏付ける研究発表が徐々になされているのが現実です。水素水には期待されるべき積極的な作用があり、それを裏付けるための臨床研究も盛んに行われ、医療にも適用されつつあります。
しかし、伊藤園が不勉強なのか、あるいは意図的になのか、そうしたことには一切触れず、自社のブランドサイトには、ただ水に水素が含まれています、としか書いてないのです
水素水のことを一切知らない人が、伊藤園のサイトを見た時に、初めに思うのが、「水素水って何?」ということでしょうが、サイトに書かれている答えは
水素水とは、気体の水素(水素分子=H2)が溶け込んだ「水」のことです。
と、実に馬鹿げた説明しかありません。水素水は水素が含まれた水だなんてことは、改めてそんな言葉で説明されなくても、字を見れ誰でもわかることです。「水素水とは何?」という質問で消費者が知りたいことは、その一歩進んだことなのに、伊藤園はわざとはぐらかし、子供だましの回答をしているのです。
その水素水を飲むと、なんの効果があるのか?他の飲みのものと違って、何のメリットがあるのか、そんなことには一切触れていません。
なんのために売っているのか、なぜそれを飲まなければいけないのか、一切説明していないのです。
そりゃ当然、薬事法があって、そんなこと言えるわけないじゃないか?と思う方も知るかもしれません。実際伊藤園もそのように言っていますが、はたしてそれが理由になるのでしょうか?
健康ウォーターなのに健康効果を言わない詐欺的対応
伊藤園の水素水を販売するサイトでは、はっきりと水素水を健康ウォーターと表現して、健康飲料として販売しています。しかし、水素が具体的にどのように健康に寄与するのか、その説明は一切ありません。
現在販売中の他の健康飲料に関しては、その健康効果に関して、はっきりと説明しているのですが、この水素水のみは、健康ウォーターと表記しているにもかかわらず、それがどのように健康にいいのか、どのような効果があるのか、そういった説明を一切していないのです。
現在、伊藤園ではブランド商品として次の17商品を代替的に宣伝しています。
商品名 | 謳われている健康効果 |
おーいお茶 | 血中コレステロールの低下/体脂肪低下作用/がん予防/抗酸化作用/虫歯予防、抗菌作用 |
---|---|
健康ミネラルむぎ茶 | ミネラル(カリウム・リン・マンガン・ナトリウム)を補給できる |
タリーズ | 健康効果表示なし |
野菜飲料シリーズ | 栄養成分ベータカロチンを効率よく摂取 |
TEA’S TEA | 健康効果表示なし |
特保 黄金烏龍茶 | 脂肪の吸収を抑える |
2つの働きカテキン緑茶 | 食事の脂肪の吸収を抑えて排出を増加させ、体に脂肪がつきにくい |
スタイリースパーク | 血液中の中性脂肪を減らす |
ジャスミンティー | 健康効果表示なし |
ヘルシールイボスティー | 健康効果表示なし |
レモングラスティー | 健康効果表示なし |
朝のYOO | フェカリス菌は、腸内の狭いところまでしっかり行き届き、一度に多くの菌を摂取する |
ビタミンフルーツ | ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、 抗酸化作用を持つ栄養素です |
毎日1杯の青汁 | ビタミンEは抗酸化作用により体内の脂質を酸化から守り細胞の健康維持を助ける |
黒酢で活性めぐり酢 | からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける |
水素水H2 | 健康効果表示なし |
evian | カルシウムは骨や歯を丈夫にし、マグネシウムはカルシウムの働きを助けて血流を整えます |
これを見て分かるように、17ブランド商品中12商品において、注釈付きではありますが、はっきりと健康効果を標榜しています。
健康効果を標榜していない、5製品のうち、水素水を抜いた4製品は、健康のためではなく嗜好品としての性格が強いため、健康効果を標榜しないのは、当然です。その他の健康をウリにしている飲料は、全て何らかの形で、直接的でなく間接的であるにしろ、健康効果を標榜しているのです。
それに関して、薬事法を引き合いに出して、「健康効果を標榜」するものえはないとしていますが、他の健康飲料に関しては、健康効果を標榜しているのですから、まったく説得力がありません。
Q6. どんな健康効果がありますか?
A6. 伊藤園が販売する水素水は医薬品ではないため、健康効果を標ぼうするものではありません
Q9. なぜ水素水を販売しているのですか?
A9. 水分補給の1つの選択肢として販売しております。
つまり、伊藤園は水素水の効果に関しては、未だ懐疑的であり、その根拠を示すことはできない、あるいはしたくないのでしょう。しかし、そんな怪しいものではあるけども、売れるから売りたい、怪しいけど金儲けだけはしたい、という魂胆が見え見えです。そのような形で、水素水を健康ウォーターとして販売するというのは、詐欺業者よりもたち悪いかもしれません。
健康効果を言えないのなら健康ウォーターとして販売するべきでないし、健康ウォーターとして販売するのであれば健康効果をなぜ言わないのか?健康効果を言わないから詐欺じゃありませんと言わんばかりのこの販売方法、あまりにもズルいと思うのは私だけでしょうか。
伊藤園のこうした姑息でずるい企業姿勢が、生真面目で発展途上の水素水研究のニセ科学感、いんちきなイメージを助長してしまっているのです。
まとめ
水素水の研究分野は、かなりのハイスペースで進んでいるとはいえ、いまだ発展途上の研究分野ではあります。
水素水が健康に効果があると、100%断言できる段階ではまだ無いかもしれません。
しかし、ここで注意してもらいたいのが、水素水には効果がない、水素水はニセ科学だ、と主張する人たち、専門家、教授、新聞記者たちは、自らの臨床実験等の確たる証拠を持って主張しているわけではなく、ただ単に、書かれている文章からちょっとした問題点を拾い上げて、自らの主張の論拠としたり、水素水の研究成果とは無関係な、インチキ業者の言動をとりあげて、水素水自体が効果ないかのような印象操作的な記事を書いたりしているだけなのです。
誤解を恐れず言うのであれば、水素水の効果がインチキなのではなく、水素水を批判している人たちがインチキなわけです。
水素水をめぐって、たくさんの詐欺的な商法がまかり通っているのも事実で、そうしたなかで、何が正しくて何が正しくないか見分けるのも大変ではありますが、大きな声で言っている人が必ずしも正しいことを言っているというわけではないのであり、冷静な目で、水素水の研究成果を見守っていくべきでしょう。
水素水の研究成果を正確に報じている新聞も多々ある
水素水の効果は嘘?ニセ科学感を助長する伊藤園とマスコミのコント https://t.co/vE9xHQTTrC https://t.co/AbxyRzAs0Y
水素水の効果は嘘?ニセ科学感を助長する伊藤園のずるさと軽薄なマスコミのコント https://t.co/tQLlcs0U1l @kenkoushinbunさんから