食生活

ラーメンに含まれるかんすいが危険?その背景と対処法

■食品添加物かんすいの悪行の調査を始めたきっかけ

かんすいが危険?麺を茹でることでかんすいが流れ出る?
麺を茹でることでかんすいが流れ出る?

「麺を茹でたお湯には食品添加物がいっぱい含まれているから、安全のために捨てて、スープは別のお湯で作ったほうがイイ」

なんでも「インスタントラーメン」と食べるときまって下痢するのは、添加物のかんすいのせいだ、かんすいは大腸がんの原因だと。

麺を茹でればかんすいが流れ出るから安全だ、というので、インスタントラーメンを作るときに、麺を茹でるお湯とスープを作るお湯を別々にして作ったのですが、そうすると、確かに実感できるほど、美味しく作ることが出来ました。

そんなことからも、かんすい=悪の根源 とずっと思っていました。

ちょっと調べると、健康志向ということで、かんすいを使用していない無かんすいインスタントラーメンを販売している会社やラーメン屋の存在を知りました。

その一方で、多くのインスタントラーメンやラーメン屋が依然、かんすいを使い続けている。

いったいどれだけ消費者はだまされているんだ!

と思い、調査を開始しました。しかし調べれば調べるほど、おかしいことが。。。

■かんすいが危険とは出所不明の都市伝説か?

添加物を使用しない麺づくり-無添加・無かんすい-ノンカップ麺のトーエー食品株式会社-
かんすいを使用しないインスタントラーメンを販売しているトーエー食品

ところが、不思議なことに、かんすいの危険性を具体的な根拠を持って指摘しているところが、なかなか見つからないのです。

それどころか、厚生労働省ではかんすいは安全な食品添加物とされています。(まぁ、原発を安全だと強弁する日本政府は信用なりませんが)
無理やり探しても、かんすいが危険だと警告しているのは国土交通省くらいなものです。もちろん、それは冠水のことですが(笑)。

しかしその一方で、かんすいを使用しないラーメンを提供しているラーメン屋もあれば、かんすいを使用しないインスタントラーメンを製造販売しているところもある。

その中の一つであるトーエー食品は、かんすいを使用しない理由として次のように言っています。

通常、即席麺は人工合成添加物の「かんすい」を使って、簡単にコシが強く保存性の高い麺を作ります。しかし、「かんすい」はカルシウム不足の原因ともなりうるリンを多く含みます。そこで、試行錯誤を重ねた末、独自の製法を開発。健康を害する恐れのある添加物を使わず、コシとつるみのある麺を作り上げました。
トーエー食品ホームページより引用
http://www.toe-noncup.com/03healthy/03_02.html

これを見ると、なんとなくかんすいが危険そうに聞こえますが、要は、かんすいにはリンが多く含まれるから危険だと言っているわけです。

これは栄養学を知っている人であれば、首を傾げざるを得ない部分で、どこか健康志向の消費者の不安をあおってミスリードをしているような、気がしてなりません。

かんすいに含まれるリンはそれほど危険なのか?

危険だと言われているリンはあらゆる食品に含まれている
危険だと言われているリンはあらゆる食品にまんべんなく含まれている

確かにかんすいには、いわゆるリン酸塩が含有されています。そしてそのリン酸塩がカルシュウムの吸収を妨げるものであることも事実です。

とはいえ、常識的に考えて、健康を阻害することになるほどリン酸をインスタントラーメンから摂取するには、相当量のインスタントラーメンを食べなければなりません。

で、万が一、大量にインスタントラーメンだけを食べた場合、危険なのはリン酸塩よりも、もっと大量に含まれている塩分や脂なのであり、もっというなれば、インスタントラーメンのみを過剰摂取したことによる、栄養の偏りが危険なのです。

ちなみに、たとえかんすいを使用しないで麺を製造したとしても、小麦粉にもリンは含まれていますし、そもそもお米だろうが、魚だろうが、肉だろうが、野菜にもチーズにもありとあらゆる食品にリンは含まれています。

健康を維持するための食事で大切なのは、リンを摂取しないことではなくて、バランスよく食べる食品のコンビネーションなのです。

かんすいを使用しないことを特徴にした味のインスタントラーメンというのであれば、まだ理解できるものの、「かんすいを使用していない=健康」ということで、健康に結びつけるのは、どこか釈然としません。

で、このトーエー食品を調べてみると、取引先には、生協が名を連ねていました。

消費者の声に過剰反応し、ミスリード?

そもそも、かんすい悪者説を流布し、無かんすいインスタントラーメンを大々的に販売していたのが、何を隠そう、生協だったのです。

しかしその生協も、かんすいが危険だと言いつつ、後に、かんすいは問題なしとアナウンスし、実際にかんすいを使用した商品の取り扱いを再開しています。

食の安全 裏側の話―元生協仕入れ担当者が明かすつくり手の事情・消費者の言い分

かつて生協の仕入れ担当をしていた渡辺宏さんが告白していますが、無かんすいという表示をするために、ほぼ同じ成分のものを使っていた所、厚生労働省の調査で、結局「かんすい」使用と同じだと指導が入ったことを告白しています。

つまり、かんすいは使用しませんといいつつ、ほとんどかんすいと同じようなものを使用していたのです。これによって、成分表記からかんすいという文字は消えたものの、依然、生協の無かんすいラーメンの中には、かんすいとほぼ同じ成分が使われていたわけです。

そこに、厚生労働省からメスが入ったというわけです。

なぜこんなことになったのか。

この生協の無かんすいインスタントラーメンの販売経緯は明らかにされていないため、現在知ることができません。

ここからは憶測でしかないのですが、おそらく、消費者からかんすいに関しての不安の声が上がった際に、かんすいの何たるかを理解するよりも、かんすいを使わないことで、消費者の声に応えようとしたことが原因なのではないでしょうか。

結局、発売したものはかんすいを使用しないものの、かんすいとほぼ似たようなものであったため、生協は健康よりも消費者の声の方が大事なのか、ということになりかねません。

ここで誤解してほしくないのは、決して生協を悪く言うつもりはありません。むしろかその後の対応が素晴らしいと思います。生協によるかんすいの取り扱いに関しての説明には、取り扱いの再開の経緯がていねいに説明されています。

当初、かんすいに関して過剰反応した感は歪めませんが、その後かんすいを再び取り扱うようになった生協は、その経緯をきちんと消費者に伝えているところが、本当に素晴らしいと思います。

「ラーメン=かんすい≒おいしい」の方程式

かんすいの取り扱いを決めた生協の製麺害者
かんすいの取り扱いを決めた生協の製麺害者

かんすいを使わないラーメンというのは、大げさに言えば、塩をつかわないラーメンと言っているのと同じような意味で、かんすいだけを悪者にする自体、無理があったのです。

そもそも他の麺類、うどん、そば、スパゲティなどと違う、ラーメンの独自の味、見た目、歯ごたえを醸し出しているのが、かんすいだと言っても過言ではありません。それは生協の商品開発をしている製麺会社も認めています。

もともとかんすい悪者説が始まったと言われるのが、戦後の混乱期に、苛性ソーダを主成分とする粗悪なかんすいが出回ったことで、政府がかんすいを取り締まったのが始まりだと言われています。

現在では合成されたかんすいの使用しか認められていません。合成と聞くと悪いように聞こえますが、むしろ炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの強いアルカリ性をしめす物質が主原料であるかん水の場合、成分がコントロールされていない天然かん水の方が危険性があるのです。

まとめ

これでもう、かんすいは何も悪くないということが、わかっていただけたでしょうか。確かにかんすいは、おおげさないいかたをすれば、合成された食品添加物ではあるものの、現在は、厚生労働省のもとで厳しく管理されている、安全なものなのです。

しかし、だからといって、インスタントラーメンが安全というわけではありません。それはラーメンにかぎったことではありませんが、そればかり食べたら、栄養の偏りが起きて危険です。特にインスタントラーメンばかり食べると、塩分、脂分、そしてリンのとりすぎが起きてしまいます。

かならず、バランスを考えた食事をすることを心がけてください。

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Dr.健康

どんな素晴らしい情報でも難しすぎて理解できなければ役に立ちません。高度な知識を誰にでもわかるように紹介するのが、新聞の役目だと考えています。元医療コーディネーターとしての経験と知識を生かして、皆さんが健康に、そして美しくなるための情報をお届けします。

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5 Comments

  1. wikipediaの「かん水」に下記の記述があります。
    「かつて苛性ソーダを主成分とする粗悪なかん水が出回り、「かん水は体に悪い」と言うイメージが流布した。その経緯から、現在は日本食品添加物協会が発行する「かんすい確認証」を添付したかん水でないと販売できなくなっている。」


  2. で、ブログではラーメンの添加物としていくつか槍玉に挙げられている。

    ①かんすい
    麺のコシ、風味、色を特徴付ける添加物で、健康に悪いとか危険とか言われることがある。別のブログになるが、危険説に特に根拠はないらしい。https://t.co/y5IcJIyr89

  3. 麺は 糖分が 悪いんで 塩分 脂質 リン が悪いのではない。 糖分を急速に吸収するのが

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