■パジャマでぐっすり眠れるからくり

眠るときに、体の中でどのようなことが起きているのでしょう。眠りとは神経の働きで、交感神経が働いている状態から副交感神経が働く状態に切り替わることをいいます。
・交感神経 心身が目覚めているときに働く神経
・副交感神経 リラックスや寝ているときに働く神経
交感神経が働いている時は、眠りにつくことができませんが、逆に副交感神経が働いているときは、起きていることが困難になります。つまり、眠るとは、交感神経が働いている状態から、副交感神経が働く状態へと変化する状態を指すのです。
《睡眠のプロセス》
起きている状態 =交感神経が働いている
↓
眠くなる状態 =交感神経から副交感神経に切り替わる
↓
睡眠状態 =副交感神経が働く
眠りにつくには、この交感神経と副交感神経の切り替わりをスムーズにすればいいのです。そして、その働きを促すのが、パジャマをきることなのです。これは、入眠儀式(スリープ・セレモニー)とも呼ばれています。
■入眠儀式(スリーピングセレモニー)がもたらすもの
就寝前に、パジャマに着替えることによって、心身ともに眠りに備えるようになります。そうすることによって、視覚や触覚、パジャマの香りを感じる嗅覚などの五感から副交感神経に働きかけ、眠りのスイッチが入ります。
心理的効果
- ・パジャマを着ることで、精神的に睡眠に備える
- 身体的効果(五感)
- ・視覚 >パジャマを見る、着ることで睡眠を喚起
- ・触覚 >パジャマの肌触りによって睡眠を喚起
- ・嗅覚 >パジャマの香りによって睡眠を喚起
このように、直接身に着けるパジャマは手軽にスピーディーに睡眠を喚起するための副交感神経に働きかけるのに最適なのです。
●パジャマを着ると途中で目が覚めにくくなる
パジャマは体への締め付けが少なく、生地の肌触りもいいので、睡眠中に不快になることがありません。また、睡眠中に体温調整や血行をよくするために必要な動作である寝返りを妨げないため、睡眠の質を高めることができます。
●パジャマを着ると気持ちよく目覚める
睡眠中は新陳代謝が活発に行われ、コップ一杯分の汗をかくといわれています。多くのパジャマの素材は、吸収性の良いものが用いられているので、睡眠中に活発になる汗や皮脂の分泌物を吸収してくれるのです。
よく、パジャマがわりにジャージやスウェットを着る人もいますが、ジャージは化学繊維で吸水性が著しく劣ります。また、スウェットは、非常に通気性が悪いため、朝起きたら体が臭くなっていた、なんてことになりかねません。
■寝れるパジャマ選びのポイント
各社からいろいろなパジャマが販売されています。パジャマとして販売しているものであれば、まず、ほとんどが睡眠に適したものであるので、間違いないでしょう。

唯一パジャマを選ぶ上で着にすべきことは、素材です。パジャマに使用されている素材には、「シルク」「綿」「麻」があります。それぞれの素材には次のような特徴があります。
素材 | 肌触り | 洗濯 | 吸水性 | 価格 |
---|---|---|---|---|
シルク | ◎ | △ | ◎ | 高価 |
綿 | ○ | ◎ | ◎ | 安価 |
麻 | 夏◎冬△ | △ | ○ | 安価 |
パジャマを着る習慣がなかった人や、今までシルクのパジャマを着たことがない人にとっては、睡眠の質をがらりと変える出来事になるかもしれません。
睡眠時間は、生活の中で大きな割合を占める時間でもありますので、今一度、パジャマを見直してみることをオススメします。