マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説

Business people practicing yoga in living room

 最近、テレビでもよく採り上げられ、大企業でも導入されるようになってきた「マインドフルネス」。マインドフルネスとは、ストレスによって身体やメンタルにダメージを受けている現代人にとって、薬や治療よりも効果があるものと期待され、大企業や極限のストレスにさらされる一流アスリートたちに採用されています。

 マインドフルネスの研究や臨床実験も盛んで、仕事の効率が上がった、ダイエットが成功したという軽微なものから、うつ病が治った、末期がん患者の慢性的な痛みが軽減したという深刻で重大な事柄にも、その効果が立証されています。

 そうした中で、マインドフルネスの実践やワークショップなどが盛んにおこなわれているので、マインドフルネスを実践している方も多いかもしれません。

 マインドフルネス自体は、非常に簡単で手軽にできることなので、誰もがマインドフルネスを実践している気になってしまいがちです。

 もともとマインドフルネスは言葉を超えたところの精神状態ですので、そうした実践だけを通じてもマインドフルネスにたどり着くことができるかもしれません。しかし、もともとそうした理解が難しいマインドフルネスをより誰でもわかりやすく、実践しやすくしたものがマインドフルネスの真骨頂ですので、マインドフルネスとは何か、それを正しく深く理解することで、より早く、より効果的にマインドフルネスを体得することができるのです。

 マインドフルネスに取り組む前に、マインドフルネスとは何なのか?どういう仕組みで何に効果があるのか?そうしたことをまず理解しましょう。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活

マインドフルネスの定義 

 マインドフルネスとは、瞑想や治療などを経て達成される心理状態。つまり、正常であり理想的な精神状態と言えます。ではその理想的な精神状態を言葉で説明すると、どうなるのでしょうか?

 マインドフルネスを簡潔な言葉で説明したのが、次の定義となります。

「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意をむけること」

 簡単な言葉で短く簡潔に説明されたこの定義を読むと、なんだか、わかったような気になりますね。そしてなんか、とてつもなく簡単なことのように思えてくるでしょう。

 この定義だけで理解できたのであれば、これ以上、もう説明する必要はありません。しかし、あまりにもこの定義が短すぎるために、人それぞれいろいろな理解の仕方があるため、定義が短くて簡単だからゆえに、かえってマインドフルネスとは何かを理解できない人の方が多いのではないでしょうか。

 よりマインドフルネスを深く正しく理解したい人のために、いろいろな観点からマインドフルネスを解説します。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活 1

マインドフルネスとは瞑想と何が違うのか?

 そもそもマインドフルネスという言葉はどこから出てきたものでしょうか?

もともとマインドフルネスとは仏教の瞑想から出てきた言葉です。では瞑想イコールマインドフルネスなのでしょうか?

 本質的には瞑想はマインドフルネスだと言っても間違いではありません。ではなぜ今、瞑想と言わずにマインドフルネスという言葉がこうして広まっているのでしょうか?

 瞑想という言葉は昔からあり、多くの人がその言葉を知っている割に、瞑想を正確に理解している人は少ないでしょう。

 そもそも瞑想は、もともと仏教から派生したもので、特殊な修行によって達成できる状態です。つまり言葉で理解するものではなく、実践を通じて体得していくものなのです。よって、どこか宗教的な色があり、とっつきにくい神秘性があります。

 はたから見れば、瞑想は座禅を組んで目を閉じているだけですので、とても簡単にできそうです。しかし、見た目を真似して、本当にそれで瞑想となっていると思う人はいないでしょう。

 繰り返しの瞑想の修行によって、言葉を超えたところで、体得していくのが瞑想だからです。その簡単そうに見えて実は難しい瞑想、長い期間の修行によってしか到達できない、東洋の神秘とも言うべき瞑想の境地。

 その瞑想の境地にたどり着くことによって、人は様々な恩恵を受けることができます。西洋の科学者たちは、その素晴らしい境地に到達する手段であり、また目的である瞑想を、より科学的に、より誰でも理解しやすく分析しました。

 そうして作り上げられたのがマインドフルネスなのです。

通常であれば、長い期間の修行を経て、実践の中で到達できるような難しい瞑想の境地を、言葉で理解でき、誰でもより簡単に実践できるようにしたのが、マインドフルネスなわけです。

 マインドフルネスと瞑想の違いは、難しいか簡単かなのです。

 そうした手軽さが、大企業などがこぞって採用することになった所以でもあります。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活 2

マインドフルネスとは西洋医学とも違う?

 瞑想という東洋的なものを西洋的な観点から説明して、実践しやすくしたものがマインドフルネスです。西洋の学者たちは、マインドフルネスを誰でも簡単に実践しやすくし、その効果効能を積極的に精神的な病理の改善に用いています。

 それはまるで、マインドフルネスをあたかも薬であるかのように用いているように見えるかもしれません。となれば、マインドフルネスは西洋医学的なものなのでしょうか?

 西洋医学的なアプローチは、悪いところがあれば、それを治療することでよくしていきます。うつ病の治療に例えて言えば、ネガティブな精神状態を悪いものとし、それを抑え込んでポジティブな状態にしていくことが、西洋医学的な治療方法としてとられていました。

 その手段としては、体内においてネガティブな精神状態を生み出す原因となっている神経伝達物質の発生を、薬によって抑えることで、うつ病を治そうとするわけです。まさにこれが西洋医学的なアプローチです。

 なるほど、うつ病を起こす物質をやっつけてしまえばうつ病は止まるでしょう。しかし、そもそもそうした物質が出てきてしまうのは、もっと深いところに原因があるわけで、その根本を治さないことには、薬で抑えたうつ病の原因も、また出てきてしまうでしょう。

 まさにそのうつ病の根本の発生原因を治療ではなく、改善していくというのがマインドフルネス的なアプローチです。

 マインドフルネスは、ネガティブな精神状態を悪いものという価値判断をすることなく、そうした状態を受け入れ、そこから距離をおいて、その瞬間の思考や感情、出来事を冷静な状態で見つめることで、自分自身への気づきを高め、よりよい方向に向かっていくというものです。

 つまり、瞑想に対して西洋的なアプローチをするものの、瞑想本来の本質を損なうことなく、活用しているのがマインドフルネスだと言えます。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活 3

メンタルだけでなく身体も健康にする

 マインドフルネスは、メンタル、精神的なところが注目されていますが、実は身体の健康にも大変いい働きをもたらします。「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく能動的な注意をむけること」と定義されるマインドフルネスは、非常に高度な内面の作業、メンタルな動作です。

 それがなぜ身体にもよい効果をもたらすのでしょうか。

 実際、がん患者の病状が、マインドフルネスによって改善されたという実験結果もありますが、薬を飲んだわけでもなく、なぜメンタルの働きだけで身体の動きが改善されていくのでしょうか?

 もともと、人間の身体には、病気になったり、体の具合が悪くなった時に、自己修復が行われるような仕組みが備わっています。

 そうした自己修復が効果的になされるためには、精神が自己制御状態になっている必要があります。マインドフルネスでは、今起きていることに対して、フラットかつ客観的にみることによって、人間本来が持っている自己修復作用を完全にコントロールできるような自己制御状態を実現するからなのです。

 風邪をひいたとき、多くの人は会社や学校のことを考えたり、医者に行くこと、薬を飲むことを考えたり、身体の調子が悪ければ、必要以上に自分の病状を悲観し、不安な生活を送ることになります。

 寝ているのが退屈だからと、寝ながらスマホをいじったりもするでしょう。

 しかしマインドフルネスにおいては、風邪を引けば、そのことに対して能動的な注意を向けることによって、今の状態に求められている自己治癒力を最大限引き出すわけです。

 風邪をひいたら薬を飲む、それが西洋医学的なアプローチですが、自己治癒力を引き出すために自己の現状を内照する、それがマインドフルネスなのです。

患者の自分と医者の自分を同居させる

マインドフルネスでは、ネガティブな思考が浮かんでも、それを悪いものとして無理に抑え込むのではなく、それらから距離を置くことを目指します。

 従来の精神医学では、不安な状態になったら、その状態を潰すことに全力を注ぎました。不安な状態を生み出す神経伝達物を突き止め、その分泌を抑える薬を処方したり、また不安な状態を改善するためのカウンセリングを行うでしょう。

 それにはそうした原因を突き止め、薬を処方したり、アドバイスを与えるための第三者的立場の医者が必要になります。

 マインドフルネスにおいては、精神的不安への対処の際は、まずその不安な状態を受け入れ、それに能動的な注意を向けることで、自分自身に対して客観的な立場から対処していきます。

 つまりマインドフルネスにおいては、自分の中に患者と医者が同居しているような状態を作り出すことです。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説メンタルヘルス

なぜマインドフルネスが理想的な精神状態なのか?

 人はなぜ不安に思うのでしょうか?それはまだ怒らない未来の事柄を心配してしまうことによって、不安になります。

 しかし、そもそもまだ起こらない未来のことは、もしかしたら、まったく起こらない可能性もあるわけで、未来を思い悩むことは、無駄な場合があるわけです。

 そうした起こるか起こらないかわからない未来をあれこれ考えるよりも、今、現在のことを注視することの方が、大切なのです。

 今のことに集中した方が、これから起こる将来のことに対してよりよい判断を導き出すことが可能になります。今を無視して、将来の不安や怖れに対して対処しても、当てが外れたり、無駄になったり、的外れになってしまうわけです。

 今に目を向けようと能動的努力をするマインドフルネスが理想の精神状態だとするのは、まさに、将来への出発点となる今に目を向けるからなのです。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活 5
Vintage Photo of Blonde Woman with Scarf at the Sea

まとめ

どうでしょうか?マインドフルネスとは何か、理解できたのではないでしょうか。すごく簡単なように思えるかもしれませんが、人間が長きにわたって培ってきた思考のくせ、ついつい今を軽視しがちになってしまうくせは、なかなか改めることができません。

 マインドフルネスの元となった瞑想の発案者であるブッタは、瞑想によって悟りを開くまで6年かかりました。つまり、六年間の間、瞑想をしていたものの、それは瞑想ではなかったわけです。

 六年間瞑想を続けて、悟りを開いたときに、初めて正しい瞑想の方法にたどり着いたというわけです。

であれば、マインドフルネスを実践しても意味ないのかと落胆することはありません。西洋の優れた学者たちが、その神秘的で謎に包まれた瞑想の世界を、分析し解明し、誰でも実践しやすくしたのがマインドフルネスです。

 マインドフルネスとは六年間かかった瞑想の体得を、誰でも簡単に実行できるようにしたものです。しかるべき方法を辿れば、だれでも悟りの境地に通じるマインドフルネス状態に入ることができるのです。

マインドフルネスとは何か?瞑想との違いやうつ病を治す効果やメカニズムを分かりやすく解説生活 4
Business people practicing yoga in living room

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください