医者も薬も風邪を治せない
風邪を引いたら、多くの人は医者に診てもらうために病院に行くでしょう。そして風邪を治すために薬を処方してもらったり、早く治したいときは注射を打ってもらったりするのではないでしょうか。
しかし医者も薬も風邪を治せないのです。注射でも風邪を治すことはできません。
初めて聞く人にとってはにわかに信じられないかもしれませんが、わりと医者の間では知られた事実です。
では医者が処方した薬は何だったのでしょうか?私たちは医者にだまされていたのでしょうか?
なぜ風邪は薬で治らないのか
風邪とは人間の体内にウィルスが入り込むことによって起こる病気です。よって風邪はこの入り込んだウィルスを追い出すか死滅しない限り、風邪が治ることはありません。
でも逆に言えば、理論上では、そのウィルスをやっつけることができれば、風邪を治すことができます。しかしながら、風邪の原因になるウィルスはあまりにも種類が多すぎるために、そのウィルスだけをピンポイントでやっつけることは現実的にほぼ不可能なのです。
つまり、医者も薬も風邪を治せないのです。
医者が出す薬は風邪を治すためのモノではない
では風邪を引いて病院に行ったときに、医者が処方していたモノは何だったのでしょう?
風邪を引くと咳が出るようになったり、鼻水が出たりします。あるいは高熱が出ることもあるでしょう。これらは人間の体が風邪のウィルスと戦っている証拠でもあるのですが、これら症状は薬である程度沈めることができます。
しかしながら、これはあくまでも症状をおさめただけであり、この症状をおさめる薬を服用したところで、それで風邪の治りが早くなると言うことはありません。
薬で鼻水や咳が出る症状を止めるといった、対処療法的な対応はできるのですが、風邪の根本的な原因を改善しているわけではないのです。
医者も薬も風邪を治せないのです。
なぜ医者はウソをつくのか?
驚くべき統計結果があります。医者たちは当然、風邪が薬で治らないことは知っていますが、感染症の専門学会が、全国269の診療所の医師たちへのアンケートをまとめた結果によると、患者や家族が抗菌薬の処方を希望したときに、処方すると回答した医師は12.7%、説明しても納得しなければ処方すると答えた医師は50.4%もいたそうです。
つまり、医者は薬で風邪が治らないと言うことをわかっていながらも、薬を処方しているのです。うがった見方をすれば、医者は患者に対して「うるさいからとりあえず薬を処方して黙らそう」といったところでしょう。
「薬にも毒にもならない」なんて言葉がありますが、風邪が治らないとしても、薬なんだから、別にのんでも毒にならないだろうと思うかもしれません。
むしろ薬を飲むことで、気休めになるなら、いいんじゃないか、そう思うかもしれません。しかし、不必要に薬を飲むことは、時には危険を伴います。
むやみに薬を飲むことの危険性
風邪を引くと熱が出ます。これは、人間の体が風邪ウィルスをやっつけるための生体反応です。熱がでるとつらいですが、これによって人間の体は風邪ウィルスとの戦いに有利なポジションに着いているのです。
しかし、解熱剤といった薬によって人工的に熱を下げてしまうと、今まで人間の体が有利だったのが、今度はウィルスの立場を有利にしてしまうことになり、解熱剤によって風邪を長引かせてしまいかねないのです。
また、風邪への処方と称して、医者は抗生物質を処方することもあるでしょう。それがきちんと症状に対応した抗生物質であれば強力な薬として作用しますが、必要のない抗生物質だった場合、人間の体内の細菌に対して、抗生物質に対する耐性をつけてしまうことになります。
すると、将来的に抗生物質が効かなくなる薬剤耐性菌を増やしてしまうことになります。つまり、抗生物質が本当に必要になったときに、抗生物質がまったく効かなくなる状態を作り出してしまいかねないのです。
実際に、最近薬剤耐性菌が増え、それによって、今まではなんともなかったような細菌が原因で死亡する患者の例も報告されるようになってきました。
まとめ
風邪を引けば誰もがなんとかしたいと思うでしょう。医者に行けば早く治してくれるだろう。その医者がくれる薬を飲めば治るだろう、そう期待するのが人情です。しかし実際は、薬で風邪を治すことはできません。風邪を治す唯一の方法は、ゆっくり休む、ただそれだけしかないのです。
医者も薬も風邪を治せないのです。
医者も患者をだますつもりはないでしょうけども、風邪は薬で治るという思い込みの強い患者に対しては、薬を処方せざるを得ないということで、仕方なしに薬を処方しているというのが現状です。
薬でかえって症状を悪化させないためにも、薬を飲めば風邪が治るという間違った固定観念をあらため、必要のない薬は飲まないようにしましょう。